【エコチル特集】ジャンボジェット機5万機分のごみが海へ!?海洋プラスチックごみ問題について考える|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
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2019.11.05

【エコチル特集】ジャンボジェット機5万機分のごみが海へ!?海洋プラスチックごみ問題について考える

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「2050年までに、海のプラスチックごみの量が、海にいる魚の重量を上回る」という予測を研究者が発表するなど、海がとんでもないことになっている! 私たちにできることはあるのかな?

年々深刻化する海洋プラスチックごみ問題

海をただよう〝海洋プラスチックごみ〟が世界的に問題となっているよ。プラスチックは軽くて加工しやすく、安くたくさん作れるため、スーパーのレジ袋や使い捨てストロー、コンビニ弁当の容器、ペットボトルなど、いろいろな所で使われている。私たちの暮らしに欠かせない素材ともいえるね。

でも、こうしたプラスチックがきちんと捨てられず、〝ごみ〟としていったん海に入ってしまうと、自然の力で完全に分解することは難しいため、海にいつまでも残り続けてしまう。すでに、1億5,000万tのプラスチックごみが海中に存在するといわれ、毎年、世界全体で年間800万tものプラスチックが海に入りこんでいるそうなんだ。

さらに、海をただようプラスチックごみが太陽の光や塩分などでもろくなり、波や砂でくだかれた結果、大きさ5㎜以下の〝マイクロプラスチック〟になってしまったら、回収はほぼ不可能。現時点で、200種類以上の海洋生物や鳥などの体内から、マイクロプラスチックが見つかっているんだ。

海をごみであふれさせない!できることからやっていこう

このような状況をどうにかしようと、海でも分解するプラスチック製品の開発や、プラスチックを食べる細菌や酵素の研究が進められているけれど、現時点では、まだこれからという状態。だからこそ、プラスチックごみを減らす生活を心がけたいね。

例えば、マイバッグやマイボトルを使用し、レジャーなどで出たごみはきちんと持ち帰る。洗濯ばさみやバケツなどのプラスチック製品を屋外に置いたままにせず、片付ける。ごみ拾い活動への参加だけでなく、道ばたに落ちているごみを拾うことも、海洋プラスチックごみを減らすことにつながるよ。

小さなことだけれど、こつこつ、みんなでがんばっていこうね。

東京都内の川で見かけたよ!

東京都内を流れる川をカメラでとったよ。さまざまなプラスチックごみが散乱しているのが分かるかな?

一番目立つのがペットボトルの容器かな? 他にも、使い捨てのお弁当の容器や家庭ゴミ、空き缶、自転車のタイヤなど、いろいろなものがうかんでいるね。写っていないけれど、サッカーボールや衣装ケースなどもういていたよ。

プラスチックがマイクロプラスチックになるまで

ポイ捨てや風でプラスチック製品が散乱

雨が降ると水路や川へ流れ出て海へ

太陽の光・波の力などでもろくなり、こわれて小さくなる

5㎜以下のマイクロプラスチックになり魚などが食べる

マイクロプラスチックを食べた魚は大丈夫なの?

「悪い影響をおよぼすおそれがある」といわれているけれど、データが不十分で、マイクロプラスチックが有害かどうかは、まだ分からないんだって。

それはちょっと心配だね。

だからこそ、プラスチックのごみを海に出さないようにしないといけないね。

使い捨てを見直して、マイバッグ、マイボトルから始めるわ!

“自分のできる所から”が大切だね。

日本国内で行われている[プラスチックごみ対策]

マイクロプラスチックになる前のプラスチック自体を減らそうと、さまざまな取り組みが行われているよ。

使い捨てプラスチックの見直し

プラスチック製のストローやレジ袋など、使い捨てプラスチックの見直しが進んでいるよ。注目はレジ袋。現在、日本政府はコンビニやスーパーで配っているレジ袋を、無料で配ることができないようにする案を検討中。2020年4月からの実施を目指しているよ。日本で捨てられるレジ袋はプラスチックごみ全体の約2%をしめているんだ。

各国のプラスチック製レジ袋規制

国 名 導入年 内  容
 韓  国 2004年  レジ袋の有料化
 中  国 2008年  薄型レジ袋(0.025mm未満)の生産・販売・使用の禁止 。それ以外のレジ袋の有料化
 デリー(インド) 2009年  種類を問わず、レジ袋の全面禁止
 香  港 2009年  レジ袋の一部有料化
 カリフォルニア州(アメリカ) 2016年  レジ袋禁止
 ケレタロ(メキシコ) 2018年  レジ袋禁止
 ケニア 2018年  レジ袋使用禁止

出典:環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」

スポーツになったごみ拾い

「ゴミ拾いはスポーツだ」を合言葉にした大会『スポGOMI』は、2008年に日本で誕生したんだ。決められた範囲のごみを制限時間内にチームで拾い、ごみの量と質でポイントを競うスポーツで、楽しみながらプラスチックごみなどを減らせるとあって、注目を集めているよ。

個人でできる取り組みをシェア

環境省による『プラスチック・スマート』キャンペーンでは、ウェブサイトやSNSを通じて、プラスチックとかしこく付き合うための取り組みやアイデアが発信されているよ。「#プラスチックスマート」で検索してみてね。

いくつ分かるかな?“プラスチック”クイズ

正しいと思う答えはどれかな?

Q1. マイクロプラスチックの大きさは?
(4㎜以下・5㎜以下・6㎜以下)

Q2. 2017年度のペットボトルの回収率は?
(約52%・約72%・約92%)

Q3. 1人あたりの使い捨てプラスチックごみ発生量が最も多い国は?
(日本・中国・アメリカ)

Q4. プラスチック製のレジ袋配布自体を禁止している国の数は?
(約20・約40・約60)

Q5. よごれてリサイクルが難しい“廃プラスチック”。日本で1年間に出る量は?
(約500万t・約900万t・約1200万t)

Q6. 政府有料化を義務付けしようとしている物は?
(レジ袋・ストロー・割りばし)

答え:Q1. 5㎜以下、Q2.約92%、Q3.アメリカ、Q4.約40、Q5.約900万t、Q6.レジ袋

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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