現役小学校教員がエコチル編集長に聞いた 「エコチル」の気になるギモン!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
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2023.06.20

現役小学校教員がエコチル編集長に聞いた 「エコチル」の気になるギモン!

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札幌の広告会社「アドバコム」が発行する子ども環境情報紙「エコチル」。2006 年の創刊から 17 年間で実に11 倍以上の118 万部を発行しています。「エコチル」の発行だけではなく、行政と連携した大型環境イベント「環境広場」の開催や YouTube番組「エコチルライブ」の 生配信、親子自然体験イベントの企画・開催など取り組みは多岐に渡ります。2020 年度か ら毎年、札幌市教育委員会の「教員長期社会体験研修」という制度に協力しており、研修先 として、現役の教員を 1 年間受け入れています。

2023 年度教員長期体験研修をさせていただいている現役小学校教員の鈴木です。自分の 勤務校でも「エコチル」を配布していました。昨年度まで「何となく」子どもたちに配布していた「エコチル」。今回、教員としての立場から「エコチル」について気になっていた疑問を、株式会社アドバコム代表であり、エコチル編集長を務める臼井社長にインタビューしました。

鈴木:まずは、「エコチル」を始められたきっかけを教えてください。

臼井社長:長女の誕生が大きかったですね。もともとコミュニケーションビジネスで社会課題を解決したい、という志をもって起業したのですが、当時はまだ漠然とした願いのようなものだったと思います。それが子どもを授かったことで、自分も父親になるのだという実感と、生まれてくる子どもに誇れる仕事がしたい、という気持ちの芽生えから「子ども」「環境」「教育」というキー ワードが浮かびました。そこから「子どもたちに、もっと環境に関心をもってもらえる機会をつくろう」「地域社会と学校、家庭をエコでつなぐプラットフォームになろう」という想いから、エコロジー&チルドレン=「エコチル」に行き着き事業化しました。

鈴木:最初からエコチル事業は順調だったんでしょうか?

臼井社長:軌道に乗るまでに時間はかかりましたが、3 年ほどで黒字化に成功しました。創刊当時はまだエコという言葉も通じなかったくらい地球環境問題の認知は高くなかったのですが、北海道洞爺湖サミットが開かれた 2008年をきっかけに、地球環境について真剣に考えなければいけないという世の中の雰囲気になっていったと思います。また、事業が順調に成長していたところで、新型コロナの影響は大変でした。学校が臨時休校となり、全国にも拡大したことで、エコチルを発行日に十分届けることができないという状態が3 カ月続きました。そのような状況になるとは全く想定しておらず、また今まで味わったことのない経験でかなり戸惑 いました。しかし、その状況下だからこそ、なかなかできなかったエコチルのデジタル化が一気に進みました。変化に対応して行かなければと、自分自身も含め、意識の変化がありました。

鈴木:コロナ禍でエコチル電子版が作成されたのですね。学校現場でも電子化が進み、紙媒体を減らそうという傾向が見られます。エコチルを紙で配布する理由についてお聞かせください。

臼井社長:現在、全国電子版を作成しWebサイトで公開していますが、そもそも興味をもってない子どもたちに対して、自ら能動的にこの情報を取りに来てもらえるかというと、現実ではかなり難しい状況です。多くの子どもたちの環境意識を育てるためには、現状では各学校で配布する紙媒体が最も効果的なコミュニケーション手段と考えます。紙以外の伝達方法の方が環境負荷や発行コストは少なくできます。IT化による変化も大切ですが、日本の紙や活字文化を後世につなげていくことも大切だと考えています。また、「親子で紙面を広げてコミュニケーションツールとして使ってほしい。」という想いがあります。スマートフォンなどの小さい画面とは違い、大きな紙面を広げて一緒に見ることができる。保護者の方からも「会話の機会になっている。」「この記事を読み親子の会話が盛り上がった。」という反響を毎月たくさんいただいています。「エコチル」は紙媒体にこだわりつつも、可能な限り環境への配慮を行っています。例えば、印刷の際、再生紙を使用したり、環境に優しいとされるベジタブルインクを使用したりしています。それでも、印刷や配送の過程でCO₂を排出してしまいます。そこで、札幌市のJ-クレジットを購入。カーボンオフセットという仕組みを取り入れることにもチャレンジし始めました。(詳しくは下記リンク参照。)

https://www.ecochil.net/article/7273/

毎月紙面で紙のリサイクル活動への参加(読んだエコチルは燃えるゴミではなく、資源回収に出すこと)を積極的に呼びかけています。ぜひチェックしてほしいです。読者の皆さんには、エコチルを読んで環境意識を高めたら、次はエコな活動に取り組んでほしいと考えます。エコチルの古紙回収もその一つです。今後も、「小学生たちの環境意識の醸成効果は最大に、環境負荷は最小に」という考えのもと、エコチル活動に取り組んでいきます。

鈴木:紙で配布する理由がよく分かりました。学校の同僚の方にも、エコチルを親子で広げ て読んで「この記事の意味はどういうことかな?」「来月このイベントに参加してみよう。」 とコミュニケーション手段として利用されている方がいらっしゃいました。たしかに、紙で配ることのよさはたくさんありますね。

鈴木:全てのページがカラーで環境に関する知識がたくさん学べる、イベント情報もたくさ んの「エコチル」。子どもたちに無料で配布する理由は何でしょうか?

臼井社長:紙で配布する理由ともつながりますが、多くの人に「エコチルを読むことで、環境について考えてほしい。」「親子で紙面を広げてコミュニケーションツールとして使ってほしい。」という願いから全国の小学生に配布しています。読者の皆様に答えていただいたアンケートでは、お子様の「SDGsの認知度」は 83.3% です。同様のアンケートでは、多くの方にご家庭でエコチルを読むことで環境意識や行動に良い変化があったこと、家庭内で親子のコミュニケーションツールとしてご活用いただいていることが分かっています。 また、読者が子どもや保護者、教員とはっきりしていることから、有難いことに多くの 企業・団体から広告協賛費をいただいております。それが無料で配布できる理由の一つです。

鈴木:なるほど。無料配布を可能にする秘密がよく分かりました。また、未来を担う子どもたちに配るということが大切な要素でもあるのですね。ぜひエコチルを受け取った人には、ご家族で環境について考えてほしいですね。

鈴木:2006 年に創刊。札幌市内約 200 校を対象に約10万部から始まったエコチル。現在、全国で118万部以上を配布しています。今後の展望が気になります。教えてください。

臼井社長:まずは、配布先を全ての政令都市に拡大させ、2025 年頃には発行部数を月200万部まで到達させることを目標に立てています。「エコチル」は「エコな子どもたちを育み、学校や家庭にエコライフが浸透していくこと」 を目的に札幌市でスタートしました。その後、北海道内、東京、大阪、横浜、長野、静岡と エリアを拡大し、2023 年には相模原版も発行されることが決まりました。(7 月から) 2022年4月には大阪市と、2022年7月には東京都との連携協定締結、他にも多くの自治体と 連携・協力しながら子どもたちの環境・SDG 教育推進に取り組んでいます。また、こうした取り組みが高く評価され、昨年度、環境省「第 10 回グッドライフアワード」を受賞しました。“地球環境問題に無関心な人を0にしたい”というのがエコチルの実現したいことです。日本の未来を担う子どもたちが環境問題に興味を持ち、身近な人に伝えたり、自ら行動を起 こせたりする人になってほしい。これからもっと発行部数を増やし、「エコチル」を日本全国のみなさんに広げていきたいと考えています。

鈴木:エコチルへの情熱がよく伝わってきました。環境問題という難しい、でも避けては通れない課題について「エコチル」という媒体を通して、興味を持ち、行動を起こせる子が1人でも増えてほしい。そして、周りの人に伝えていってほしいですね。そのために、まず教員の立場として鈴木ができることは、子どもたちにエコチルをしっかり配ることですかね?あと、魅力ももっと伝えていければ…頑張ります!

臼井社長:ぜひよろしくお願いします!

#SDGs #エコチル #環境 #学校 #教員 #インタビュー #カーボンオフセット

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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