【東海大学海洋科学博物館だより】魚でも水ぎらい?「ヨダレカケ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
動物園だより
2023.07.03

【東海大学海洋科学博物館だより】魚でも水ぎらい?「ヨダレカケ」

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今月のどうぶつ:ヨダレカケ

学名:Andamia tetradactyla
生息地:琉球列島、インドネシア、台湾など
スズキ目 イソギンポ科

波打ち際にすむヨダレカケ

陸が一番!

魚でも水ぎらい?

魚は水中にいるもの、と決めつけてはいけません。魚の中には水中を飛び出して海上を飛ぶトビウオや、水中よりも陸上にいる時間が長い魚さえいます。陸に上がる魚というとトビハゼやムツゴロウが有名ですが、ヨダレカケという魚も陸上を好みます。

トビハゼやムツゴロウはハゼの仲間になりますが、ヨダレカケはハゼではなくイソギンポの仲間になります。また、トビハゼやムツゴロウは干潟にすんでいますが、ヨダレカケは波打ち際の岩場にすみ、そこに生える藻類を食べて生活をしています。

当館の水槽内でもほとんど水中にいるところを見かけません。水がかかるものなら水面をはねて、にげていきます。

水槽のガラスに張り付くヨダレカケ

名前も生き方も魚それぞれ

ヨダレカケという独特な名前は、下唇にある半円形の吸盤が赤ちゃんに使うよだれかけに見えることから付けられました。この吸盤を使って水槽のガラスに張り付く姿は、実にユニークです。水槽の岩場を掃除しているときも、水中はいやなのか水槽のガラスに張り付いています。そして、産卵でさえも陸上で行うという非常にめずらしい魚です。

このようにヨダレカケが陸上で活動できるのは、エラ呼吸だけでなく皮膚呼吸ができるからです。しかし、皮膚がしめっていなければ呼吸ができないため、水は苦手でも水の近くで生活しなければなりません。

よだれかけのような下唇

東海大学海洋科学博物館ニュース

夏休み期間中は無休で開館します

もうすぐ夏休みですね。現在、東海大学海洋科学博物館は、無料の完全予約制にて主に木曜日から日曜日に開館していますが、7月20日(木)から9月3日(日)までは毎日開館する予定です。水槽の中の生き物たちを普段見ない角度から見たり、じっくりと観察したりして、夏休みの自由研究などにぜひ活用してください。


写真提供:東海大学海洋科学博物館

東海大学海洋科学博物館
〒424-8620 静岡県静岡市清水区三保2389
TEL.054-334-2385
https://www.umi.muse-tokai.jp/

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