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みんなは、動物園は好きかな? 実は、動物園はいろいろな種類の動物を飼育しているだけでなく、さまざまな役割を担っているんだ。今回は、そんな動物園の役割を紹介! 知れば、もっと動物園が好きになるはず!
動物園の役割って 何だろう?
みんなは動物園の役割について考えてみたことがあるかな? 日本動物園水族館協会は「レクリエーション」「調査・研究」「教育・環境教育」「種の保存」の4つを動物園の役割としているよ。横浜の動物園でのそれらの役割の考え方と、野毛山動物園での取り組みの一部を紹介していくね!
動物に魅せられ、共に生きることの大切さを感じられる場としての役割
動物園は、さまざまな動物たちと間近で出会い感じることができる場所だよ。動物との出会いを通じて、命の大切さを体感し、動物と共に生きることの大切さを再認識するだけでなく、それが、野生動物や地球環境を守ることにつながることを願っているんだ。
野毛山動物園は「だれもが気軽に訪れ楽しめる動物園であり、小さな子どもがはじめて動物に出会い、ふれあい、命を感じる動物園」をコンセプトとし、入園無料で約80種類の動物と出会うことができるよ。
観覧する来園者 |
動物に対する科学的な知識を深め、その情報を市民と共有する役割
動物園では、動物の生理や生態、行動などについて調査・研究し、大学や研究機関などと共に、野生動物の情報を集め知識を深めているよ。その成果は、アニマルウェルフェアと呼ばれる、動物園の動物たちの動物福祉の向上にも役立っているんだ。
野毛山動物園では、キリンやツキノワグマなどでフィーダーを設置し、えさを採るまでの時間延長や自動給餌により採食行動が現れる機会の増加が期待される「採食エンリッチメント」を実施。その効果について科学的に評価する研究を行っているんだ。
キリンのフィーダー |
ツキノワグマの自動給餌機 |
動物や生息環境のことを多くの人々へ伝え、行動につなげる役割
CO₂やマイクロプラスチックなどが社会問題になっている現在、動物園で得られた知識を地球環境の保全につなげてもらえるようにすること、社会を良い方向へ変えるために情報発信し伝え続けていく重要性が増しているよ。そのため、野毛山動物園では、野生動物の置かれた状況を伝える企画展や飼育員によるガイドの他、生物多様性についてみなさんと考えるイベント「動物たちのSOS展」を毎年開催しているんだ。
世界と手を取り合って野生動物を計画的に守っていく役割
生物多様性が急速に失われ、気候変動とも相互的に関係し合って、地球は危機的状況におちいってきているよ。今の人間生活を守るためだけではなく、遠い将来のためにも、生物多様性や生態系の保全が〝かぎ〟であると考えられているんだ。
野生動物を動物園で守り続けることは生息域外保全と呼ばれ、これは、国内外の動物園が連携し、遺伝的多様性を保ちながら長期にわたり種を維持することを意味しているよ。野毛山動物園では繁殖計画に基づいて動物園同士が連携し、グレビーシマウマの赤ちゃんの繁殖に成功! また、日本ではここでしか見られないヘサキリクガメの人工繁殖にも成功しているよ。
グレビーシマウマの繁殖(親子) |
ヘサキリクガメの人工ふ化 |
今や、多くの人々にとって、動物園が唯一の野生動物に出会える場所となっているのかもしれないね。野生動物たちと共に暮らせる豊かな地球環境、持続可能な社会をつくっていくためには、動物園が生物多様性や地球環境保全の場であることを深く認識して、その役割と責任を果たすことが重要なんだ。
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協力:公益財団法人 横浜市緑の協会
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。