【東海大学海洋科学博物館だより】海の金魚?「ネンブツダイ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
動物園だより
2023.05.01

【東海大学海洋科学博物館だより】海の金魚?「ネンブツダイ」

目次 [非表示]

今月の動物:ネンブツダイ

学名:Ostorhinchus semilineatus
生息地:西太平洋とオーストラリア北西岸
スズキ目 テンジクダイ科

ネンブツダイの特徴

群れを作って生活します。

海の金魚?

ネンブツダイは、岸近くから水深100mくらいまでの岩場にすむ魚です。漁港など身近な場所にもいて、体がきれいなオレンジ色であることから、つり人には金魚の愛称で呼ばれます。

しかし、もちろん金魚ではありません。また、名前に「~ダイ」と付いていますが、タイでもありません。では何かというとテンジクダイの仲間です。きっと、ピンと来ないでしょう。

人とのなじみはありませんが、テンジクダイ類は世界で約380種が知られる比較的大きなグループです。日本にも100種ほどがおり、中でもネンブツダイは南日本で最も普通に見られます。体長約10㎝と小さく、食用にはなりません。

若いときはガラスのように体がすき通っている

子育ては口の中で

ネンブツダイは、オスが口の中で卵を保護する習性を持ちます。オスはメスから卵を受け取ると、ふ化するまでの約1週間、口をパクパクと動かして新鮮な海水を送り続けます。この間、えさは食べません。オスにとっては一苦労ですが、これにより卵が敵に食べられるのを防いでいるのです。まさに、魚界のイクメンですね。

口内保育と呼ばれるこの行動は他のテンジクダイ類にも広く見られます。ところが、オオスジイシモチなどテンジクダイ類の一部の種では、ときどきオスが卵を食べるといいます。少しおどろきですが、卵から栄養をとれば断食をともなう卵保護をくり返し行えるので、結果的により多くの子孫が残せるのです。

保育中の卵を食べることもあるオオスジイシモチ

東海大学海洋科学博物館ニュース

教育・研究に特化した機関へ

東海大学海洋科学博物館は、2023年3月31日に有料入館を終了しました。2023年5月からは、1階水族館部門を、日や時間を限った完全予約制で無料公開します。教育・研究に特化した機関として新たな一歩をふみ出した東海大学海洋科学博物館に、ぜひおこしください。くわしくはホームページに記載しています。


写真提供:東海大学海洋科学博物館

東海大学海洋科学博物館
〒424-8620 静岡県静岡市清水区三保2389
TEL.054-334-2385
https://www.umi.muse-tokai.jp/

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3