【天王寺動物園だより】繁殖数が減っている貴重な大型の鳥「オジロワシ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
大阪
動物園だより
2023.05.01

【天王寺動物園だより】繁殖数が減っている貴重な大型の鳥「オジロワシ」

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今月のどうぶつ:オジロワシ
学名:Haliaeetus albicilla
英名:White-tailed Sea-eagle
生息地: ヨーロッパから東・西アジア
タカ目 タカ科

オジロワシの「銀」

繁殖数が減っている貴重な大型の鳥

オジロワシは、日本では北海道、本州北部で冬をこす鳥で、その数は700~900羽といわれています。北海道での巣を作る場所は約170カ所確認されていますが、繁殖数はかなり減っています。

体長は約70~90㎝と大型で、つばさを広げると2m以上にもなる、するどいつめとくちばしを持った猛禽類です。

天王寺動物園の猛禽舎の中で、一番の古株になるオスの「銀」は、1988年から飼育・展示していますが、年齢は不詳です。性格は、非常に警戒心が強く、担当者が横を通り過ぎただけで、かん高い声を上げます。

バックヤードで暮らす銀

生きのびた「銀」に気を配る飼育員

本来は冬に強い種類ですが、年齢から来るおとろえと冬の寒さから、昨年の冬に体調をこわし、命が危ない状態になりました。バックヤードへ移し体を温めながら、体力を付けるために食べられる物は何でも食べてもらおうと、ラットやマウス、肉類、魚類など、いろいろ用意しました。

その中では「カバプール」でカバといっしょに泳いでいる「ティラピア」という魚をよく食べていました。元気になった今では、ティラピアではなく、ラットをよく食べています。

オジロワシは、風力発電施設に激突したり、送電線に引っかかり感電したりして、自然界では、その生存数が減っています。「銀」の日々の行動を注意深く観察し、長生きできるように飼育しています。

バックヤード

 

てんのうじニュース

カバといっしょに泳ぐナイルティラピア

ナイルティラピアのえさは、カバのふんや古くなった角質ですので、食べ物に困ることはありません。またカバも、ナイルティラピアは体をきれいにしてくれる存在ですから、じゃまになりません。この関係を「共生」といいます。この様子は、「カバ観察プール」で見ることができます。

 


写真提供:天王寺動物園

天王寺動物園
大阪市天王寺区茶臼山町1-108
TEL:06-6771-8401
https://www.tennojizoo.jp/
協力・監修/天王寺動物園

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