【和歌山県立自然博物館だより】いろいろな見た目の変形菌「ルリホコリ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2023.04.10

【和歌山県立自然博物館だより】いろいろな見た目の変形菌「ルリホコリ」

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ルリホコリ

学名:Lamproderma columbinum
モジホコリ目  ルリホコリ科
生息地:沖縄以外の全国


類似種のコンテリルリホコリの子実体。柄が短く、くちた広葉樹に発生。

いろいろな見た目の変形菌

ルリホコリは、秋から初冬にかけて、くちた針葉樹に発生する、変形菌や粘菌と呼ばれる単細胞生物の一種です。この生き物は、元々は変形体と呼ばれる大きなアメーバで、その後、キノコのような子実体に変身します。

ルリホコリの子実体の高さは2〜3㎜ほどで、柄は細長くて黒色です。丸い形をしている所は、子嚢(袋状で、胞子がつまっています)といいます。

ルリホコリの子嚢は、主にるり色です。また、子嚢の表面には、子嚢壁という、うすいまくがあります。ルリホコリやコンテリルリホコリの子嚢壁は透明で、シャボン玉のように、光の干渉作用で発色をすることがあります。

子嚢壁は、種類によってさまざまで、石灰質のつぶを付ける物もあります。その中でも、キララホコリは、とてもきれいな模様を作ります。

キララホコリの子実体

子孫を残すため、転んでもただでは起きません

変形菌は、小さなアメーバのときに、落ち葉やくちた木の中で分裂して増えていきます。その後、変形体になり、しばらくすると表面に現れます。すぐに子実体になる種類もあれば、しばらく表面を移動してから子実体になる種類もあります。

子実体になると、風や雨で胞子を拡散させます。一方で、小さな甲虫やトビムシなどに、子実体が食べられることも度々あります。ところが、変形菌はしたたかで、胞子をそれらの体にたくさん付けて、運んでもらっているんですよ。

和歌山県立自然博物館ニュース

きのくに野外博物館「キノコや粘菌をさがしてみよう!」

当館主催の野外観察会を、和歌山市の紀伊風土記の丘(予定)で7月8日(土)に開催します。さまざまなキノコや粘菌(変形菌)を見つけて観察しませんか。くわしくは、当館ホームページをご覧ください。
また、5月30日 (火)から7月2日(日)の予定で、ユニークなキノコや粘菌を当館玄関スペースにて展示します。ぜひご来館ください。


写真提供:和歌山県立自然博物館

和歌山県立自然博物館
〒642-0001 和歌山県海南市船尾370-1
TEL 073-483-1777
https://www.shizenhaku.wakayama-c.ed.jp/

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