【野毛山動物園だより】絶滅の危機にひんしている、なぞらだけの鳥「ミゾゴイ」を見に来てね!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
横浜
動物園だより
2023.04.10

【野毛山動物園だより】絶滅の危機にひんしている、なぞらだけの鳥「ミゾゴイ」を見に来てね!

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ミゾゴイ

学名:Gorsachius goisagi
生息地:夏季は日本、冬季はフィリピンなどの東南アジア
ペリカン目 サギ科

~野毛山動物園のミゾゴイたち~

オスのミゾジロウ

メスのミゾミ

野毛山動物園には、オスのミゾジロウとメスのミゾミの2羽のミゾゴイがいます。普段はなかなか動きませんが、えさの時間になるとそろりそろりとしのび足で動く姿が見られるかもしれません。そんな慎重なミゾゴイたちにぜひ会いに来てください。

里山に暮らす忍者のようなサギ

ミゾゴイは4月になるとフィリピンや台湾などの東南アジアから、繁殖のために日本へわたってくる夏鳥です。水辺に暮らし集団で営巣する他のサギとは異なり、標高1000m以下の人里近い山の中に単独でひっそりと暮らしています。

普段は地面をゆっくりと歩きながらえさとなるミミズなどの土壌生物を探しており、飛び立つことはほとんどありません。このときにミゾゴイの褐色の体は、薄暗い林床にとけこむ保護色となっています。

また、危険を感じると首をのばして細くなり、じっと動かずに木の枝のようになる擬態という行動をとります。

このように気配を消してかくれるのが得意なミゾゴイは、しばしば忍者に例えられることもあります。

ミミズを探して食べるミゾゴイ

人知れず消えゆくミゾゴイ

ミゾゴイは台湾などでのわずかな例を除くと、ほぼ日本でしか繁殖が確認されていません。しかし、日本では里山の開発や森林の放置などによって、生息できる環境が減少しています。

かつては日本の里山に広く生息し、さまざまな地方名で呼ばれてきたミゾゴイも、現在は野生での個体数が推定1000羽程度といわれており、絶滅が危惧される希少な鳥となってしまいました。

その個体数の少なさと発見の難しさから目撃例も少なく、絶滅に向かっている今もまだまだ生態になぞの多い鳥です。

擬態中のミゾゴイ

のげやまニュース

飼育の日パネル展

4月19日が「しいく」と読めることから、(公社)日本動物園水族館協会が制定した「飼育の日」。動物園・水族館に対する一層の理解を得ることを目的としていて、各地の動物園・水族館でさまざまなイベントが実施されます。野毛山動物園では、3月28日(火)~4月19日(水)に意外と知らない飼育員の1日のパネル展を開催します。


写真提供:野毛山動物園

野毛山動物園【指定管理者 公益財団法人横浜市緑の協会】
〒220-0032 横浜市西区老松町63-10
TEL 045-231-1307
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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