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地球温暖化を防ぐために、エネルギーの使用を減らすことはとても大事だよね。今回は、高校生たちが教室を「断熱」して省エネを実現する取り組みについていっしょに見ていこう。
断熱でCO₂排出量を減らそう
世界中で起きている自然災害は、地球温暖化が原因だといわれているよ。この影響をできるだけ小さくするために、世界では地球の平均気温の上昇を1.5℃未満におさえて、2050年までに脱炭素社会を実現しようと動き始めているんだ。日本、そして長野でも CO₂などの温室効果ガスをゼロにする取り組みを始めているよ。
家庭での省エネや公共交通機関の利用などいろいろな取り組みがある中で、長野県では身近な教室でCO₂排出量を減らす「教室断熱DIYワークショップ」が始まっているよ。
断熱って何?
学校の教室では冷暖房にかかるエネルギー消費量が多く、CO₂を多く排出しているよ。その理由は、夏は暑く冬は寒いから。冷暖房の使用量を減らすためには、室内を一定の温度に保つことが必要なんだ。そのために「断熱」は効果的な方法だよ。断熱とは空気の出入りを断つことで、夏は熱が外から中に入って来たり、冬は部屋の暖かい熱が外ににげて行ったりするのを防ぐために効果があるんだ。断熱には、複層ガラスの窓や内窓を取り付ける窓断熱や天井・ゆか・かべに断熱材を入れる方法などがあるよ。くわしい説明は左のコラムを読んでみてね。
教室断熱DIYワークショップは生徒発の気候危機突破プロジェクトとして、令和4年度、長野県内の6校が参加したよ。佐久地域から参加した長野県立岩村田高等学校の取り組みを、下のコラムで紹介しているから見てみよう。地球温暖化を防ぐヒントは教室など身近な所にあるよ。みんなも身の回りに目を向けて、できることを見つけてみよう。
断熱の大事なポイント!
熱はどこから出入りする?
一般的な家では、熱の出入りが最も多いのは開口部と呼ばれる窓やドアだよ。冬、暖房で暖めた部屋の熱の約60%が窓などの開口部から出て行くんだ。夏は外からの熱の約70%が窓などの開口部から入って来るよ。冷暖房の使用量を減らすためにも、窓など開口部の断熱性を高めることは効果的な方法なんだ。
参照元:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会 省エネ建材で、快適な家、健康的な家
断熱って、どんなことをするの?
窓の断熱
複数のガラスを組み合わせることでガラスの間に空気の層ができて、熱が伝わりにくくなっている。窓枠には熱を伝えにくい樹脂を使っているよ。
天井・かべ・ゆかの断熱
熱が伝わることを防ぐ断熱材を、天井やかべ、ゆかに隙間なく入れるよ。隙間を作らないことで熱の出入りを防ぐことができるんだ。
岩村田高等学校の生徒たちが
「教室断熱DIYワークショップ」を実施!
2023年1月、専門家の方々に協力してもらい、岩村田高等学校で教室の窓とかべの断熱を実施したよ。どんな作業をしたのだろう?
かべに断熱材を設置
かべの木枠の大きさに合うように断熱材の長さを測り、まっすぐに切るよ。切った断熱材をおしこむようにはめこむんだ。
内窓の組み立てと設置
まず框戸木枠を組み立てたよ。木枠のみぞに、窓ガラスの代わりになるアクリル板を差しこみ、木枠全体をはめこむよ。かべに作られた窓枠に設置して完了。
かべに板を設置
かべには、カラマツでできた羽目板と呼ばれる専用の木材を使ったよ。長さを測って切り、釘打機で羽目板を打ち付けて完成。生徒に一番人気の作業だったよ。
効果を検証
断熱の効果を調べるために表面温度を測ったよ。特に内窓の効果は大きく、外窓だけだと表面温度が1.5℃なのに対し、内窓は9.5℃と8.0℃も暖 かかったよ。
▲断熱後の教室
情報提供:断熱推進イニシアチブ
クイズに挑戦しよう!
次の中から正しいと思うものはどれかな?答えは下にあるよ。
Q1. 次のうち、家の中でCO₂排出量(エネルギー使用量)が最も多いのはどれ?
①照明 ②家電製品 ③冷房 ④暖房
Q2. 家の中で、熱が最も出入りする場所はどこ?
①窓 ②ゆか ③屋根 ④外壁
Q3. 省エネの取り組みで、間違っているものはどれ?
①エアコンの設定温度を調整する
②移動するときには車に乗らず、公共交通機関や自転車を使う
③冷蔵庫の開け閉めの回数を増やし、できるだけ物をたくさん詰める
④LED電球を使用する
Q4. 日本に今ある住宅で断熱性能が低い住宅の割合は次のうちどれ?
①約1割 ②約3割 ③約5割 ④約8割
Q5. 1人が1km 移動するときに、一番多くCO₂を出す乗り物はどれ?
①自動車 ②バス ③鉄道 ④航空機
答え:Q1②、Q2①、Q3③、Q4④、Q5①
出典:信州ゼロカーボン検定
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