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日本の森に植えられている木は、大切な資源。木は、建物や家具、紙の製品などいろいろな使い道があるよ。今回は、木からエネルギーをつくるバイオマス活用の取り組みを紹介するよ。
木質バイオマスは再生可能なエネルギー
「バイオマス」とは植物や動物から生まれた資源のこと。バイオマスの中でも、木からできた資源のことを「木質バイオマス」というよ。木質バイオマスには、木材を加工する工場で出た木材にならない切れはしや建物を取りこわすときに出た古い木材、森の間伐などで出た枝や丸太の切れはしなどがあるんだ。
これらをチップやペレットなど使いやすいように加工し燃料にして、電気をつくることができるって知っている?木質バイオマスは、地球温暖化の原因である石油に代わる再生可能なエネルギーとして注目されているんだよ。地球温暖化を防ぐためにも、木質バイオマスをうまく活用することが重要になってくるね。
燃料にするのは、木をむだなく使うため
ここで気を付けたいのは、電気の燃料にするために、森林の木を切るのではないということ。何十年もかけて育った立派な木は、まずは建物などの木材として加工され、そこで出た切れはしなどは紙やボードなどに利用されるよ。そして最後に残った枝や丸太の切れはしなどを、電気の燃料として利用しているんだ。これは「カスケード利用」といって、木を伐採したり製材したりする過程で出る枝や木くずなどすべての資源を、むだにすることなく段階をふんで大切に使うことだよ。
木質バイオマスの中でも、特に森の間伐や植林の準備などで出た枝や曲がった木、切れはしなどが、エネルギー資源として多く使われ始めているよ。つまり森に入ることが増えて手入れが進み、豊かな森を維持することにもつなげることができるんだ。
【キーワード】
再生可能エネルギー
太陽や風、木など、自然の中にあるものを利用するエネルギーのこと。温室効果ガスが出ない、もしくは木のように炭素を固定して再生できることで地球温暖化を防ぐことができる。
ペレット
木の切れはしや枝葉などを粉砕して、 直径6〜8mmの円柱状におし固めた燃料。
なぜ、木質バイオマスを燃やすと地球温暖化を防げるの?
森林は、温室効果ガスであるCO₂を吸収するよ。ペレット燃料などは燃やすとCO₂が出るけれど、 もともと植物が吸収した分を排出することになるから、大気中のCO₂は増えないんだ。この仕組みを「カーボンニュートラル」というよ。
参考:「炎のある暮らし、 はじめませんか?」 (長野県林務部発行)より
地域の大切なエネルギー資源
佐久地域の木を使った木質バイオマス活用
佐久総合病院では、佐久地域にあるカラマツから作られたチップを燃やし、その熱で温水を作っているよ。たくさんのエネルギーを使う病院は、灯油などの1つのエネルギー源にたよってしまうと、災害などで手に入らなくなったときにたくさんの人が困ってしまう。だから、木質バイオマスも大切なエネルギー源の1つとして活用しているんだ。
チップボイラーとチップ燃料
(引用元:佐久穂小・中学校学習資料「わたしたちの森林と林業」)
なぜカラマツを使うの?
佐久地域のカラマツは、長野県のカラマツ面積の中でも最も多くの面積をしめているよ。佐久地域では森林面積の57%をしめていて、佐久地域を代表する木でもあるんだ。カラマツの細い木や曲がった木などは山に残されることが多かったけれど、それらをチップにして有効に活用しているよ。
佐久地域(民有林)の樹種別森林面積
(引用元:「長野県民有林の現況(令和4年)」)
まきもペレットも木質バイオマス!
暮らしに木質バイオマスを取り入れよう
まき・ペレットストーブは、私たちが身近に利用することができる木質バイオマスだよ。多くの人に取り入れてもらうために、県の事業を活用し、佐久市、上田市、軽井沢町などでは、ペレットストーブなどを設置した家に、その費用の一部を補助する取り組みも行っているんだ。
クイズにチャレンジ
次の質問に答えてみよう。答えはページの下にあるよ。
① 木質バイオマスでないのは、次のうちどれ?
- 木質ペレット
- まき
- プラスチック
② 化石燃料と比べたとき、木質バイオマスの 良い点について、当てはまらないものはどれ?
- 地球温暖化を防ぐ
- 再生可能なエネルギーである
- ほとんどを外国から輸入している
③ 長野県の森林面積は、日本で何位?
- 1位
- 3位
- 5位
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答え:1③、2③、3②
監修:佐久地域振興局
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。