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みんなには自分の好きな景色ってあるかな? 今回は、日本最古の歌集「万葉集」でうたわれ、多くの絵画にもえがかれ、大昔からずっと人気の場所「三保松原」を紹介するよ。
三保松原って?
三保松原は、静岡市三保半島にある景勝地(景色がすぐれている土地)だよ。半島の海沿いに約35ha(約35ヘクタール)におよぶマツの林があり、この一帯は1年中、マツの葉が青々としているよ。
見どころは、なんといっても駿河湾に面した砂浜に連なる松原と、背後にたたずむ富士山を望む景観だよ。その美しさは、古くは万葉集にうたわれ、室町時代以降、「富士三保清見寺図」などの絵画にもえがかれ、多くの人に愛されてきたんだ。
2013年には「世界文化遺産」となり今年で10周年! この先もずっと、三保松原が自慢の景勝地であってほしいね。ただ、そのためには松原を自然のままにしておけば良いのではなく、「保全」といって、人がお手入れしながら守ることが必要なんだ。
いま三保松原がきれいであり続けているのも、これまでに多くの人が松原を大事に守ってきたからってこと。現在も市や県の他、企業や市民団体、学校も、保全に取り組んでいるよ。どんな取り組みだろう?
マツを守る取り組み
1つ目は、病気からマツを守るために、薬剤をまいたり、予防剤を幹に注入したり、病気になってしまった木を伐倒(きりたおすこと)したりすること。2つ目は、マツの落ち葉や落枝の栄養で他の樹木が育つようになる、自然の移り変わり(遷移)を止めることだよ。3つ目は、将来の松原を構成する新たなマツを植え、育てること。
くわしい説明を下のコラムで読んでみてね。古代より日本人の心を魅了するこの風景は、みんなの宝! 私たちも大切に守り続けていこうね。
三保松原の人気絶景ショットがこちら!
富士山と緑の三保松原、砂浜と海波。日本を象徴するような美しい景色だね! 三保松原は富士山に関係の深い文化財として世界遺産に登録されているよ。
マップで チェック!三保松原はどこにある?
三保半島の海岸線を囲むように三保松原があるよ。下の地図で確認してみよう。
マツは多くの人の手で守られてきた!
三保松原のマツを守る取り組み
松原を維持するためには、人のお手入れが必要だということが分かったね。では三保松原のマツを守る主な取り組みを紹介するよ。
① マツの伝染病「マツ材線虫病」を防ぐ
線虫「マツノザイセンチュウ」が引き起こす伝染病「マツ材線虫病」が原因で、マツは根から水を吸い上げられなくなり、かれてしまうんだ。自力で移動できない線虫が、カミキリ虫「マツノマダラカミキリ」にくっつき移動し、カミキリ虫がかじった所からマツの中に侵入して感染するよ。対策として、病気になった木をきりたおす伐倒駆除(左写真)、カミキリを退治する薬剤散布(中写真)、線虫の防虫の薬を打つ予防剤樹幹注入(右写真)などが行われているよ。
② 自然の移り変わり(遷移)を止める
マツの落ち葉や落枝が積もると、それが栄養となって土地が豊かになり、他の樹木がマツに代わって繁茂するようになるんだ。これを自然の遷移というよ。そうなるとマツにとっては、光がさえぎられ良い環境にならないんだ。それを防ぐために、定期的に松葉を取り除く松葉かきや、草むしりなどが行われているよ。
③ 次世代のために新たなマツを育てる
マツも寿命はあるので、将来の子孫にも美しい松原を見てもらうために、新たにマツを植えて育てているよ。マツの育成では、幼いマツが密になって育たないように、木を選定して間伐することも必要だよ。
保全 “プチ”ボランティア松葉かきをやってみよう!
静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」では、年中無休で松葉かきのボランティアを受け付けていて、だれでも参加できるよ。みんなも下の図のような準備をして、気軽に参加してみよう!「みほしるべ」では展示やイベントなどを行い、松原の景観や文化の紹介もしているので、ぜひ訪れてみてね!
【問い合わせ先】
静岡市三保松原文化創造センター 「みほしるべ」
静岡市清水区三保 1338-45
TEL:054-340-2100
マツ&三保松原の豆知識クイズ
Q.1 三保松原を形作っている マツの数は推定何本?
A.約300本 B.約3,000本 C.約30,000本
Q.2 マツ属は「雌雄同株」といって、1本の木に雄花と雌花の両方がさくよ。では、花が成熟したのちマツボックリになるのは、雄花と雌花どっち?
A.雄花 | B.雌花 |
Q.3 「マツ属」の仲間は世界で100 種以上あるよ。では、三保松原に生育しているマツの99.9%はどの種類?
A.クロマツ B.アカマツ C.ゴヨウマツ
Q.4 海からやって来た神様が、降り立つ際に目印にするといわれている「羽衣の松」(三代目)の推定樹齢は?
A.約100年 B.約300年 C.約600年
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答え Q1.C Q2.B Q3.A Q4.B
監修:静岡市文化財課(みほしるべ)
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。