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静岡市にある「南アルプスユネスコエコパーク」という地域を知っているかな? 今回は、そこにすむとってもめずらしい生き物、「ライチョウ」を紹介するよ!
ライチョウは “生きた化石”!
ライチョウは、標高2200m以上の南アルプスなどにすんでいるキジ科の鳥だよ。なんと、氷河期(地球表面の多くが氷だったころ)に大陸から日本にやって来た貴重な動物で、“氷河期の遺存種”と呼ばれているよ。おどろきだね! ライチョウはその後、寒い場所を求めて高い山の上へ生息場所を移し、南アルプスの高山帯にたどり着いたよ。ライチョウは他の国にも分布しているけど、世界で最も南の生息地が、南アルプスのイザルガ岳(標高2540m、静岡市)なんだ。左の地図で確認してみてね。
年に3回、羽色を変える!
ライチョウの体の特徴は、なんといっても体の羽が年に3回も変わるところ。写真のように季節によって体の色を変え、外敵から身を守っているんだ。自然の景色とうまく同化しているよね。
ちょうど今の季節、雪でおおわれる冬は、エネルギーを使わないように飛ばずに歩いて移動することが多くなるよ。また、寒さから身を守るために雪の中にもぐって休んでいることもあるよ。
心配なことに、南アルプスのライチョウは生息数が減っていて、現在、絶滅危惧種に指定されているんだ。減少の主な理由は、気候変動による環境への影響や、登山客等の増加による生息環境の変化と、それにともなってライチョウを食べるキツネやテンが増加していることなどが考えられるんだ。
だから国や静岡市は、ライチョウのひなを大きくなるまで保護したり、ライチョウの食物となる高山植物を保護したりする取り組みをしているよ。ライチョウは氷河期からの生き残りである地球の宝物! みんなもライチョウを知って、見守っていこうね。
生きた化石!ライチョウの氷河期からの足どり
長い長い年月をかけて、ライチョウはどのように南アルプスに移って来たのかな? 氷河期から現在までの足どりを見てみよう。
大昔、日本が大陸と陸続きだった氷河期に、ライチョウは北半球大陸の寒いエリアから日本へやって来たよ。
やがて氷河期が終わって地球が暖かくなると、日本は大陸とはなれたよ。
そして氷河期に日本へやって来たライチョウは、生きていくために寒い場所を求め、高い山の上へと生きる場所を移し、南アルプスの高山帯にたどり着いたんだ。
参考元:静岡市パンフレット「南アルプスの大自然 豊かな生命のみなもと」p.10
数を減らしているライチョウを守るために
みんなでできること
絶滅危惧種に指定されているライチョウを守るために、私たちにもできることがあるよ。チェックしてみんなで心がけよう!
☑︎ 地球温暖化を防ぐ行動をする
地球温暖化による気温の上昇は、積雪量の減少や植生の変化など、ライチョウの生息環境に影響をあたえているよ。節電や節水、ごみを減らすなど、小さなことから始めよう。
☑︎ 登山をするときはマナーを守り、ライチョウをそっと見守る
登山者が捨てた残飯を求めて、ライチョウの生息環境に大型の動物が侵入してしまうよ。マナーを守り、はなれた場所からライチョウを見守ろう。
ライチョウに会える
「南アルプスユネスコエコパーク」はどこにある?
南アルプスユネスコエコパークは、地図の黄色の地域だよ。山梨・長野・静岡の3県にまたがっていて、静岡市では葵区井川地域より北が登録地域なんだ。3,000m級の山々に希少な動植物がいろいろ生育・生息しているよ。
参考元:南アルプス自然環境保全活用連携協議会事務局 南アルプスユネスコエコパーク公式サイトhttps://www.minami-alps-br.org/about.php 静岡市パンフレット「南アルプスの大自然 豊かな生命のみなもと」 p.5
ライチョウのこと、南アルプスのこと、もっと知ってみよう!
静岡市が運用している「南アルプス de 深呼吸」(通称「南プス」)では、南アルプスの豊かな自然や文化の魅力をさらにくわしく紹介しているよ。ぜひ右の二次元コードにアクセスしてみてね!
>>> 南アルプス情報発信ホームページ 「南プス」の公式Instagram
>>> 南アルプス情報発信ホームページ 「南プス」の公式ウエブサイト
監修:静岡市環境創造課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。