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食べ物やエネルギーなど、私たちにさまざまな恵みをあたえてくれる海に、ごみがたくさん流れこみ、大きな問題となっているよ。そんな“海ごみ”を減らすために、私たちに何ができるのか、いっしょに考えていこう!
豊かな海がピンチに!?
地球の表面積の約7割をしめる海には、魚や貝、海草など、さまざまな生き物が暮らしているよ。海は、私たちが普段口にする食べ物や、海底油田やメタンハイドレートなどのエネルギー資源をもたらしてくれるだけでなく、貿易を始めとする輸送や交通のルートにもなっているんだ。
また、海には熱エネルギーやCO₂を吸収することで温暖化の進行をやわらげたり、暴風雨による被害を軽減したりする役割も! 海からの恩恵は本当に多いんだね。そんな大切な海に、今、たくさんのごみが流れこんでいるんだ。
2016年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)で、毎年、少なくとも世界で800万t以上のプラスチックごみが海に流出していて、このままいくと、2050年にはプラスチックごみが世界中の海の魚の量を重量ベースで上回りそうだ、というレポートが発表されているよ。
なぜ「海ごみ」は増えているの?
日本の海岸に漂着しているごみは、レジ袋などのポリ袋やペットボトルなど、私たちの生活の中から発生している“生活系のごみ”が約半分をしめているよ。
街中でポイ捨てされたごみや屋外で放置されたごみが、雨や風によって流されて河川や水路に入り、やがて海まで流れ出て、海ごみとなってしまうんだ。
この海ごみの多くがプラスチック。石油を原料とするプラスチックは微生物や自然の力で分解することができず、いつまでも環境中に残り続けてしまうんだ。中でも、特に心配されているのが、プラスチックが紫外線や波の力、塩分によって細かくくだけ、大きさが5㎜以下になった“マイクロプラスチック”だよ。
マイクロプラスチックは小さすぎて回収するのが難しいため、海をただよい続け、海洋生物や鳥などのえさとして食物連鎖に入りこみ、海の生態系全体に大きな悪影響をあたえることが心配されているんだ。
海の豊かさを守るにはどうすればいいのか、みんなで考えていこうね。
街のごみが海にたどり着くまで
街中のごみが、どうやって海に入りこんでしまうのかな?
海ごみにはどのような種類があるの?
海にはいろいろなごみが流れこんでいるんだ。その種類を見ていくよ。
漂着ごみ
沿岸に打ち上げられたごみ。大きな木や海藻に混じって、生活ごみや漁に使われていた道具などが漂着しているよ。
海底ごみ
海底にしずんでしまったごみ。漁に使われていた道具やカン・びんだけでなく、レジ袋などもしずんでいるよ。
漂流ごみ
水面や水中にうかび、ただよっているごみ。風や海流、潮流によって遠くまで運ばれることもあるよ。
海ごみがあたえる影響とは?
海ごみが、私たちや環境にあたえる影響を知ろう!
●生き物への影響
- 海の生き物が、えさとまちがえてプラスチックなど飲みこんでしまうと、胃の中にプラスチックがたまり続けるため、えさを食べられなくなり、死んでしまう場合があるよ。
- 海に流されたあみなどが魚の体にからまって、にげられずに死んでしまうことがあるよ。
●漁業への影響
- 漁師の人があみを引き上げると、魚よりもごみの方が多いことがあるそう。また、海藻にごみが混ざると、取り除くのに大きな手間がかかってしまうよ。
●景観・レジャーへの影響
- 海ごみが増えると景観が悪くなり、観光客や海水浴で訪れる人が減ってしまうかもしれないよ。
海ごみを減らすためにできることをやろう!
私たちの行動が、海ごみを減らすことにつながるよ。小さなことでも、今日から取り組んでいこう!
1 使い捨てを見直す
- 買い物の際は、マイバッグを持参する
- マイボトルを持ち歩いて、使い捨てのカップを減らす
- フォークやスプーンといったカトラリー、ストローなどの使い捨てプラスチック(ワンウェイプラスチック)の使用をひかえる
- つめかえ用ボトルなど、くり返し使える物を選ぶ
2 ごみに関するルールを守る
- ごみのポイ捨てをしない
- 海や川、山でのレジャーで出たごみは持ち帰る
- ごみは地域のルールを守り、所定の場所・時間に、分別して出す
3 清掃活動に参加してみる
- 海ごみについて学び、街中や河川敷、海岸などの清掃活動に参加する
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参考:
東京都環境局「TOKYO 海ごみゼロアクション」
内閣府「海の未来 -海洋基本計画に基づく政府の取組-」
環境省「平成29年度漂着ごみ対策総合検討業務 海洋ごみ学習用教材 小学生用」
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。