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ボウズハゼ
学名:Sicyopterus japonicus
スズキ目 ハゼ科
生息地:国内では福島県~琉球列島、八丈島、 小笠原諸島
石の上に生えている藻類を食べる
壮大な旅をするボウズハゼ
ボウズハゼは、河川の中流から上流に生息しています。でも、生まれてすぐの赤ちゃんは、川の流れに乗って海へと下りて行きます。不思議なことに、ボウズハゼの成魚は淡水域でないと生きていけませんが、赤ちゃんは海水に入らないと死んでしまうのです。
海に出た赤ちゃんは、約半年もの間、海流に乗って各地へと散らばって行きます。海で成長しながら河口へ移動し、成魚の生息地である河川上流を目指します。そして、さらに成長しながら、急流をものともせずに遡上。なんと、ときには岩を登りながら、滝をもこえて行きます。
体のひみつ
手も足もないボウズハゼが、岩を登ることができるのには、腹びれと口に秘密があります。ハゼの仲間の多くは、腹びれが吸盤状になっていて、岩や草に吸い付くことができます。特にボウズハゼは、腹びれの吸い付く力が強いようです。
また、腹びれほどではありませんが、口でも岩に吸い付き、腹びれと口を器用に使いながら、イモムシのように岩をひょこひょことはい上がって行きます。
和歌山県の天然記念物に指定されている古座川「滝の拝」でも、岩登りによって滝をこえるボウズハゼが、夏の風物詩です。がまん強く上流を目指すボウズハゼの姿を、ぜひ実際に見てみてくださいね。
吸盤のような腹びれで、ガラスにくっつくボウズハゼ
和歌山自然博物館ニュース
食卓に上がる魚をじっくり見てみよう
2023年1月29日(日)の午後1時~4時に、みなさんがよく食べている魚をじっくり観察し、体の形や特徴について調べる行事を開催します。スケッチや解剖、水槽で泳ぐ魚の観察などを通して、身近な魚について楽しく学んでみませんか?くわしくはホームページをご覧ください。
写真提供:和歌山県立自然博物館
和歌山県立自然博物館
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