【釧路市動物園だより】日本では絶滅「カナダカワウソ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2022.11.14

【釧路市動物園だより】日本では絶滅「カナダカワウソ」

目次 [非表示]

釧路市動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

取り上げる動物は…
『カナダカワウソ』

食肉目 イタチ科

【生息地】一部を除くアメリカ本土とカナダ

釧路市動物園では、メス1頭を飼育しています。

日本では絶滅したカワウソ

カナダカワウソは、細長い体に太いしっぽ、すらりとした体で自在に泳ぐことができます。毛の間に空気をたくさんふくんでいて、水にもぐると体から小さなあわがぽこぽこと出てきます。魚をほおばるときは眉間にしわを寄せ、かわいらしい顔から一変し、百獣の王「ライオン」に似た肉食動物らしさが見られます。

昔から日本にすんでいたニホンカワウソは、1978年の高知県での目撃情報を最後に絶滅したといわれています。アイヌ語でカワウソは「エサマン」とよばれ、北海道でも身近に生息していた動物です。洪水などの被害を防ぐために河川の改修をしたため、川辺をすみかとしていたカワウソはすむ所がなくなってしまいました。また、毛皮を得るために捕獲されて、生息数が減り、とうとう絶滅してしまったそうです。

えさをほおばる姿は肉食動物!

国内ではめずらしいカナダカワウソを飼育

釧路市動物園では、カナダカワウソのメスの「チャッピー」を飼育しています。国内の動物園や水族館で多く飼育されているのは、コツメカワウソやツメナシカワウソです。カナダカワウソは、3園館で6頭しかいません。

チャッピーとオスの「リッキー」はとても仲良しでしたが、子どもは生まれませんでした。リッキーは岩手県盛岡市動物公園のメスとお見合いもしましたがうまくいかず、カナダカワウソの繁殖は簡単ではないことが分かりました。残念ながらリッキーは2022年に16才で亡くなってしまいました。1頭になってしまったチャッピーですが、馬肉やホッケを食べて元気に暮らしています。

川辺を中心に生活し、とても好奇心旺盛なカワウソは日本の妖怪「カッパ」のモデルになったともいわれています。カワウソのように身近な動物たちが私たちの近くから姿を消してしまうことはとても悲しいですよね。私たちにできることを考えてみましょう。

麻袋でねむるチャッピー

くしろニュース

「クリスマスZOO」を開催!

12/11(日)に「クリスマスZOO」を行います。展示館では、トナカイの角で作ったオリジナルツリーやトナカイの特別展を開催。また、先着100名でクリスマスカードのスタンプラリーや、トナカイ舎のバックヤード見学などを行います。

くわしくは  >>> 釧路市動物園 まで

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの 質問に答えるよ!

質問

シマエナガは何色ですか?

答え

つばさのピンク色が印象的ですが、頭と顔、お腹は白く、つばさの部分には黒とピンクと白が入った特徴的な色をしていますよ。冬にはシジュウカラなどカラの仲間と群れを作り、観察しやすいので、釧路市動物園の北海道ゾーンに見に来てくださいね。


協力・監修/釧路市動物園
釧路市阿寒町下仁々志別11番
TEL. 0154-56-2121
https://www.city.kushiro.lg.jp/zoo

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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