【アクアマリンふくしま だより】カニのこうらの中に卵を産む魚「オグロコンニャクウオ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
福島
動物園だより
2022.10.11

【アクアマリンふくしま だより】カニのこうらの中に卵を産む魚「オグロコンニャクウオ」

目次 [非表示]

オグロコンニャクウオ

学名:Careproctus furcellus
クサウオ科 コンニャクウオ属
生息地:北海道太平洋沖、オホーツク海、ベーリング海

タラバガニ科のこうらの中に産み付けられた卵

カニのこうらの中に卵を産む魚

オグロコンニャクウオは、タラバガニの仲間のこうらの中に卵を産むめずらしい魚です。船にあがってきたカニのこうらの中をのぞいてみると、10尾中1尾以上の割合で必ずこうらの中から魚卵が出てきます。

実は100年以上も前から、カニから産まれる魚の存在は知られており、ふ化した稚魚が吸盤を持つことやゼラチン質の体であることから、クサウオ科の仲間であることは予想されていました。

でも実際に種類がはっきり判明したのはこの10年ほど。北海道の知床沖では、オグロコンニャクウオとアイビクニンであることが判明しました。


卵塊から産まれたオグロコンニャクウオ

まだだれも見たことがない産卵現場

オグロコンニャクウオはどうやってカニのこうらの中に卵を産んでいるかというと、輸卵管という10㎝ほどのびる管をこうらの中に入れて卵を産み付けると考えられています。でもそれは200m以深の深海での出来事なので、実際にはまだだれもその様子を見たことがありません。

タラバガニの仲間は、とても強くてどうもうです。下手に近づけば逆に食べられてしまうので、オグロコンニャクウオは必死に卵を産んでいることでしょう。でも成功すれば、深海最強クラスのカニのこうらの中で、卵が守られることは間違いありません。


10cmほどのびる「輸卵管」

アクアマリンニュース

プラごみ怪獣掃討大作戦

当館では、環境水族館として海洋プラスチックごみ問題に取り組んでいます。現在開催中の「プラごみ怪獣掃討大作戦」プロジェクトでは、館内にいわき市内の海岸から回収したプラごみでできた怪獣を展示し、みなさんからのプラごみ削減宣言を募集しています。


写真提供:アクアマリンふくしま

アクアマリンふくしま【ふくしま海洋科学館】
〒971-8101 福島県いわき市小名浜字辰巳町50
TEL 0246-73-2525
https://www.aquamarine.or.jp/

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3