【アクアマリンふくしまだより】魚だけど陸上もへっちゃら「ミナミトビハゼ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
福島
動物園だより
2022.08.22

【アクアマリンふくしまだより】魚だけど陸上もへっちゃら「ミナミトビハゼ」

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ミナミトビハゼ

学名:Periophthalmus argentilineatus
スズキ目 ハゼ科
生息地:沖縄県などのマングローブや汽水性湿地帯

マングローブにすむミナミトビハゼ。多様な生物が暮らすマングローブは「海の命のゆりかご」とも呼ばれています

魚だけど陸上もへっちゃら

ミナミトビハゼは、魚でありながら1日のほとんどを陸上で過ごします。多くの魚は、呼吸のために新鮮な水を常にエラへ送る必要があり、活動できる範囲は水中のみ。対してミナミトビハゼは、体をぬらすことで、水にとけた酸素を皮膚から取り入れることができるため、陸上でも問題なく生活できるというわけです。

とはいえ、常に体がぬれている必要があるので、水辺から遠くはなれることはできません。体がかわく前に定期的に水に入り、皮膚の水分を保ちます。エラ呼吸もできますが、あまり得意ではありません。


目は陸上で周囲が広く見渡せるように体から飛び出している

なぜ陸上に?

広い海から陸上に上がった大きな理由は、陸上のえさを独占できるから。えさをとるライバルが少ないことは、生存競争においてかなり有利になります。また、天敵からにげるときも、瞬時に陸上と水中を行き来できるというのは大きな強みです。そのため、陸上を移動できる特殊な体をしています。

胸びれの付け根の筋肉が発達していて、普段ははうようにして移動し、身に危険があった場合は全身をバネのように使い、ジャンプして素早く進むこともできます。

当館ではこのようなミナミトビハゼの生態を野生に近い状態で見ることができます。ぜひ観察してみてください。


発達した胸びれは付け根が長くのびて、まるでうでのよう

アクアマリンニュース

企画展「ユーラシアカワウソ・ドナウ展」

当館で長年愛されてきたユーラシアカワウソ・ドナウの特別企画展。はく製展示をはじめ、ドナウの一生をなつかしの写真やドナウが使っていた飼育道具などと共にふり返ります。また、野生下での現状や保全の実態もご紹介します。展示期間は8月28日(日)まで。


写真提供:アクアマリンふくしま

アクアマリンふくしま【ふくしま海洋科学館】
〒971-8101 福島県いわき市小名浜字辰巳町50
TEL 0246-73-2525
https://www.aquamarine.or.jp/

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エコチル編集部

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