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脱炭素社会をつくるために、建物ではどんなことができるだろう。
今回は、働く人が集まるオフィスや人が暮らす住宅での取り組みについて、いっしょに見ていこう。
多くの人が働くオフィスで消費エネルギーが実質ゼロ
「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」を聞いたことはあるかな? 使うエネルギーとつくるエネルギーで、建物全体のエネルギーを正味でゼロ以下にすることだよ。省エネに取り組み、太陽光発電など再生可能エネルギーを利用するから、温室効果ガスの排出量を減らすことができるよ。
佐久市にある木下建工が建てた新しいオフィスでは、消費するエネルギーが実質ゼロを達成。さらに、オフィスで消費したすべてのエネルギーより、太陽光発電でつくったエネルギーの方が多いんだ。一体どんな工夫をしているのだろう。
未来の建物はどれもエネルギー消費量実質ゼロ?
木下建工のオフィスでは、夏でも冬でも室内を一定の温度に保つために、断熱気密をしっかり行っているよ。かべや天井に断熱材を入れたり、窓にトリプルガラスを入れたりすることで、暖房や冷房で使うエネルギーがぐんと減るんだ。冬には、太陽の日差しを上手く取りこむことで、部屋の中が暖かくなるよ。
省エネと同時に、再生可能エネルギーをつくり出していることも大事なポイント。オフィスの屋根には、太陽光発電パネルを取り付けているよ。晴れた日の日中は、会社が消費するエネルギーの何倍も、この太陽光発電でつくっているよ。2022年4月、木下建工の木下さんは、建築家の須永さんといっしょに、エネルギー消費量が実質ゼロの賃貸住宅「六花荘(りっかそう)」を完成させたよ。軽井沢で、消費エネルギーが実質ゼロの暮らしを体感することができるんだ。
長野県は2030年までに、新築住宅やビルはすべて、エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目標にしているよ。2030年、みんなは何才だろう。そのころには、エネルギー消費量が実質ゼロの建物が当たり前の時代になっているにちがいないね。
キーワード
トリプルガラス
3枚のガラスでできているよ。ガラスとガラスの間に空気の層があるから、熱を伝えにくく、暑さや寒さの影響を受けにくいんだ。
再生可能エネルギー
太陽や風など、自然にある力を利用して電気をつくるエネルギーのこと。温室効果ガスがほとんど出ないので、地球温暖化を防ぐことができる。
太陽光発電
再生可能エネルギーの1つ。ソーラーパネルにある太陽電池を使って、太陽の光をエネルギーに変えることだよ。
中はどうなってるのかな? 木下建工のオフィスや六花荘(りっかそう)を見てみよう
太陽の光を活用したり、木を使ったりした建物は、環境に良いことはもちろん、人も気持ち良く過ごすことができるよ。
木下建工の新しいオフィス。国産の木材が多く使われていて、木の温かさが感じられるよ。
かべに入っている断熱材。断熱気密の効果を確実にあげるために、職人さんによって丁寧に入れられているよ。
窓の大きさや場所は、太陽の光を上手く取りこめるように設計されている。自然の光がたくさん入ってくるよ。
脱炭素社会に向けた長野県の取り組み信州健康ゼロエネ住宅
長野県では、豊かな自然環境と森林資源を生かした、健康ゼロエネ住宅を推進しているよ。地球環境に優しく、住む人も快適で健康になれる木造住宅を建てるため、建築の手法や助成金について動画を公開しているよ。
クイズにチャレンジ
次の質問に答えてみよう。答えは下にあるよ。
【問題1】太陽光発電で重要な日照時間(太陽が照る時間)。佐久市の日照時間は、長野県内で何位?
- 1位
- 2位
- 3位
【問題2】再生可能エネルギー源として、当てはまらない物はどれ?
- 太陽光
- 水
- 石油
【問題3】太陽光発電でつくられた電気は、地震や台風などで停電になっても使うことができる?
- ○
- ×
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クイズの答え:1②、2③、3①
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