【エコチル特集】問題グマにしないためにどうしたらいいの?|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
特集
2022.06.13

【エコチル特集】問題グマにしないためにどうしたらいいの?

目次 [非表示]

近年、「問題グマ」と呼ばれるヒグマが増えていることを知っていますか? 野生のヒグマは、私たちの身近に生息しています。「問題グマ」を増やさないために、私たちができることをいっしょに考えてみましょう。

北海道にひっそりと暮らすヒグマ

ヒグマは、北海道に生息する野生動物の中で最も体が大きく、時速50㎞以上の速さで走り、木に登ることもできます。図1では、ヒグマの大きさや毛の色などを、他の動物と比較しているので、見てみましょう。また、ヒグマの生息場所は山や森ですが、札幌などの大きな都市にとなり合った身近な森にもすんでいます。ただし、基本的にヒグマは森に入ってくる人をさけ、人との距離を保ちながら、人知れずひっそりと静かに暮らしており、全道で約11,700頭が生息していると考えられています。

原因として考えられるのは、6~8月の繁殖期にオスがメスと出会うために広い範囲を動き回るためや、森林近くにある魅力的な農作物や果樹を求めて市街地近くに出て来るためなどがあります。その際に、農作物やごみの味を覚えてしまうと、人をおそれずに畑や住宅に近づき、危険な状況が発生する可能性があります。このようにして、私たちの生活に悪い影響をおよぼしてしまうヒグマのことを、「問題グマ」と呼びます。

「問題グマ」ってなに?

近年、市街地に姿を現すヒグマが問題になっています。みなさんもニュースで見聞きしたり、実際に近所での出没情報を聞いたりしたことがあるかと思います。では、ヒグマはなぜ市街地などの私たちの暮らす場所に出て来てしまうのでしょうか。

私たちにできる「問題グマ」にしないための行動

まずは、ヒグマを市街地に近づけないことが、「問題グマ」にしないために大切なことです。そのために、家庭菜園を電気柵で守る、市街地と森林の間のやぶをなくす、生ごみをしっかり片付け、ごみのポイ捨てをしないことが有効です。人間とヒグマがおたがい安全に暮らしていくために、私たちができることを考え、対策を実行していきましょう。

 

図1 ヒグマの特徴

[大きさ]

ヒグマの体長:鼻先からおしりまで オス約2m・メス約1.5m

[毛の特徴]

ヒグマ

エゾシカ

キツネ

アライグマ

[足跡]

足跡は、前足のこの部分を計測します。(13㎝以上だとオスの可能性!?)

 

「問題グマ」にしないために…

[電気栅の設置]

電気ショックをあたえることで、ヒグマに警告することができます。札幌市では、家庭菜園用の電気柵の貸し出しなどを行っています。

[草かり]

ヒグマには、見通しの良い場所をさけ、やぶなどで自分の体をかくしながら移動する習性があります。市街地と森林の間の草をかり、人とヒグマの距離を保つことが重要です。

[生ごみの処理]

ごみをポイ捨てしない、生ごみを野外に放置しないことが大切です。

 

もしヒグマに出合ってしまったら…

山の中に入るときはすずを付けたり、声を出したりすることが有効ですが、それでもヒグマに出合ってしまう場合もあるかもしれません。そういうときは、以下のことに気を付けましょう。

1.遠くにヒグマを見つけたら……

落ち着いて状況を判断しましょう。ヒグマがこちらに気づいていないなら、その場を静かに立ち去りましょう。

2.ヒグマがこちらに気づいていたら……

ヒグマが移動する方向を見定めながら、静かに立ち去りましょう。あわてると事故につながるので、まず落ち着くことが大切。普通にしていれば、ほとんどのヒグマは立ち去るはずです。

3.それでも近づいてきたら……

ヒグマから目を離さないようにしましょう。そして、ヒグマの動きを見ながらゆっくりと後ずさりして、ヒグマと距離をとるようにします。ヒグマが突進してきても、あわてて走ってにげないようにしましょう。

その他

大声を出す・走ってにげる・石を投げるなどは絶対にしないようにしましょう。ヒグマを刺激してしまいます。あと、子グマの近くには必ず親グマがいるので、子グマを見つけたら絶対に近づかないようにしましょう。

 

「ゼロカーボン北海道チャレンジプロジェクト」始動!

ゼロカーボン北海道チャレンジプロジェクト(チャレプロ)とは…

「ゼロカーボン北海道」の実現に向けて、脱炭素型ライフスタイルの転換につながる行動を呼びかける32のプロジェクト。ホームページをチェックして、みんなもできることから実践してみよう。

>>> チャレプロホームページはこちらから

環境忍者えこ之助

 


北海道環境生活部自然環境局野生動物対策課ヒグマ対策室

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3